店長経験者の転職、在職中と退職後どちらで動くべきか
- 店長経験者が在職中に転職活動をする場合、書類提出から内定までの体感期間は3〜5ヶ月が目安です。
- 有給休暇の消化日数は平均10〜15日程度で、面接日程の確保に充てるケースが多く見られます。
- 退職してから動いた場合、収入が途切れる空白期間は体感値で2〜4ヶ月に及ぶことがあります。
「辞めてから探した方が、面接にも集中できますよね?」面談の場でよくいただく質問です。
結論から言うと、僕は在職中に転職活動を進めることを基本線としてお勧めしています。店長という仕事は休みが変則的で面接日程の調整が難しく、退職してから探した方が身軽に思えるかもしれません。ただ、収入が途切れるリスクと心理的な焦りを天秤にかけると、多少の不便さを抱えてでも在職中に動いた方が結果的に納得のいく選択ができる、というのが僕の体感値です。もちろん例外もありますので、順を追って整理していきます。
0.結論 ― 原則は在職中、例外は心身の限界だけ
まず結論だけお伝えすると、貯蓄が生活費の3〜6ヶ月分に満たない方、あるいは後任の育成にまだ着手していない方は、在職中に動くべきだと考えています。逆に、体調を崩しかけている、あるいは既に休職に近い状態にある方は、無理に在職を続けるより退職を先行させた方が転職活動そのものの質が上がるケースもあります。判断の軸は「今の状態で冷静に比較検討ができるかどうか」の一点です。焦りながら決めた選択は、入社後に「こんなはずではなかった」というギャップにつながりやすいというのが、これまで多くの店長経験者を見てきた僕の実感です。
1.在職中に動く場合の実務ハードル三つ
在職中の転職活動で店長経験者が最初にぶつかる壁は、面接日程・有給の使い方・情報の秘匿性の三つです。まず面接日程については、店舗の営業時間帯と面接可能な時間帯が重なりやすく、公休日だけでは足りません。次に有給休暇の使い方ですが、平均して10〜15日程度をまとめて使う方が多く、これは選考が佳境に入る最終面接前後に集中する傾向があります。最後に情報の秘匿性、つまり転職活動をしていることを店舗のスタッフや同僚に知られないようにする配慮です。制服やタイムカードの管理をしている立場だからこそ、周囲の目には敏感にならざるを得ません。求人サイトの通知音一つ、私用スマホをバックヤードで開くタイミング一つが噂の火種になり得ることも、店長という立場ならではの気苦労だと思います。
2.退職してから動く場合のリスク
退職を先に済ませてから探すメリットは、時間に余裕ができ、面接日程を自由に組めることです。一方でリスクも明確にあります。収入が途切れる空白期間は、体感値で2〜4ヶ月に及ぶことがあります。この期間中に貯蓄が目減りしていく焦りは、想像以上に判断力を鈍らせます。実際、相談に来られたある店長経験者の方は、退職後3ヶ月を過ぎたあたりで「早く決めたい」という気持ちが先行し、本来なら見送るはずだった条件の求人にも応募し始めていました。空白が長引くほど、比較検討の軸がぶれやすくなる、という点は覚えておいて損はありません。また、健康保険や年金の切り替え手続き、失業給付の申請といった事務作業も退職直後にまとめて発生するため、体感以上に時間と気力を消耗する点も見落とされがちです。
3.どちらを選ぶかの判断基準三つ
| チェック項目 | 在職中を選ぶ目安 | 退職を先行させる目安 |
|---|---|---|
| 貯蓄 | 生活費の3〜6ヶ月分未満 | 生活費の6ヶ月分以上を確保済み |
| 心身の状態 | 働きながらでも比較検討できる余力がある | 睡眠や体調に明確な支障が出ている |
| 後任育成 | 後任がまだ育っていない・引き継ぎ準備中 | 後任が既に独り立ちしている |
この三つのうち、二つ以上が「在職中」の欄に当てはまるのであれば、多少不便でも在職中に活動を進めた方が良いというのが僕の見立てです。逆に心身の項目だけは、他の二つが在職中向きでも優先して考慮すべき例外だと考えています。健康を犠牲にしてまで在職を続けることに、僕はあまり価値を感じていません。
4.在職中の転職活動、実際のスケジュール感
体感値になりますが、書類提出から内定までは3〜5ヶ月程度を見込んでおくと無理がありません。これは本部職や販売職といった隣接職種の転職活動期間(体感で2〜4ヶ月程度)と比べるとやや長めで、面接日程の調整に時間がかかる分だけ後ろにずれやすい傾向があります。応募社数の目安は8〜12社程度、書類選考通過率は職務経歴書に数字をどれだけ具体的に落とし込めているかで大きく変わります。一次面接から最終面接までは平均して3回程度、日程調整だけで2週間ほどかかることも珍しくありません。この期間感を最初に把握しておくと、焦って結論を急ぐことを避けられます。
5.面接日程とシフトの調整実務
実務面で一番効くのは、有給休暇の使い方をあらかじめ設計しておくことです。最終面接が重なりやすい選考終盤に有給を集中させる、平日昼間の面接には公休日を優先的に充てる、といった段取りを転職活動の初期段階から意識しておくと、後になって慌てずに済みます。SVや上司への相談は、内定が固まった後で構いません。早い段階で伝えると、引き継ぎの準備期間を理由に退職時期を先延ばしにされるケースも実際にあります。情報が漏れるリスクを避けるためにも、社内での相談タイミングは慎重に見極めることをお勧めします。加えて、面接をオンライン形式で受けられないか事前に確認しておくのも有効です。バックヤードや車内から短時間だけ抜けて面接に臨む店長経験者も少なくありません。
6.よくある失敗と対処
在職中の活動でよく見かける失敗は、有給を使い切ってしまい最終面接の日程が組めなくなるケースです。序盤の一次面接からまとめて有給を使ってしまうと、選考が進むにつれて動ける日がなくなり、内定direct前に日程調整で失速する店長経験者を何人も見てきました。対処としては、序盤は公休日を優先し、有給は最終盤に温存しておくことをお勧めします。もう一つの失敗は、退職を先行させたケースで、空白期間の目的を決めないまま辞めてしまうことです。目的が曖昧なまま日々が過ぎると、面接で「なぜこの期間があったのか」を聞かれた際にうまく言語化できず、印象を落としてしまいます。退職前に「資格取得」「業界研究」「体調回復」など、空白期間の使い道を一つでも決めておくだけで、この失敗は避けられます。また、在職中・退職後いずれの場合でも、家族への説明を後回しにして直前になって慌てるケースも多く見られます。転職活動を始める段階で、おおよそのスケジュール感だけでも共有しておくと、後々の摩擦を減らせるというのが僕の体感です。
7.ケース比較 ― 二人の店長経験者の選択
実際にあった二つのケースを比べてみます。一人目は、貯蓄が生活費の4ヶ月分程度で後任の育成が半分ほど進んでいた店長経験者です。この方は在職中に活動を始め、有給を選考終盤に集中させることで、書類提出から内定まで約4ヶ月で転職を決めました。収入が途切れる期間はゼロで、比較検討の余裕を保ったまま複数社の内定条件を落ち着いて見比べられたと話していました。もう一人は、慢性的な体調不良を抱えながら店舗運営を続けていた店長経験者です。この方は貯蓄が生活費の6ヶ月分を超えていたこともあり、先に退職して体調を整えてから活動を始めました。空白期間は約3ヶ月に及びましたが、その間に業界研究と資格取得を進めていたため、面接では前向きな説明ができ、結果的に希望していた本部職への転職を実現しています。二つのケースに共通するのは、貯蓄と心身の状態を先に見極めた上で、在職中か退職後かを選んでいる点です。どちらが正解というより、自分の状況に合った選び方をした結果、どちらも納得のいく転職につながったと言えると思います。
(結論)
皆さんいかがでしたでしょうか。在職中に動くか退職してから動くか、正解は一つではありませんが、貯蓄・心身の状態・後任育成という三つの物差しで自分の状況を見直すと、判断がぐっと楽になります。多少の不便さを抱えてでも、比較検討の余力を保てる在職中の活動を基本に据えつつ、無理をしてまで続ける必要はないという線引きも忘れないでいただければと思います。では今日もがんばりましょう。
よくある質問
Q. 店長は在職中と退職後、どちらで転職活動をすべきですか?
結論から言うと、収入が途切れるリスクを避けられる在職中の活動が基本線です。店長は面接日程の調整が難しいという弱点はありますが、生活の土台を保ったまま比較検討できる利点の方が大きいと考えています。ただし体調や心身の限界を強く感じている場合は、無理に在職を続けず退職を先行させる判断もあり得ます。どちらを選ぶかは、貯蓄と店舗の後任育成の進み具合を見て決めるのが現実的です。
Q. 店長が在職中に転職活動をする場合、面接の日程調整はどう進めればいいですか?
結論から言うと、公休日と有給休暇を組み合わせて平日昼間の枠を確保するのが基本です。店長は休日が変則的なため、面接は1〜2週間先まで候補日を複数出しておくと調整がスムーズになります。有給消化は平均10〜15日程度を目安に、面接回数が増える最終盤にまとめて使う店長経験者が多い印象です。SVや上司への相談タイミングは内定が固まった後で構いません。
Q. 退職してから転職活動をする場合、空白期間はどう説明すればいいですか?
結論から言うと、空白期間は隠さず「何を目的にした期間か」を一言添えて説明すれば大きな減点にはなりません。店長経験者が退職後に動いた場合、空白は体感値で2〜4ヶ月に及ぶことがありますが、その間に業界研究や資格取得、生活の立て直しをしていた事実を具体的に話せれば採用側は納得します。曖昧にごまかす方が不信感につながりやすい点には注意が必要です。
IT人材業界20年、ギークリー創業を経て現職。個人として通算4,200名のキャリア面談を実施してきた経験に基づき監修しています。本文中の年収・難易度等は独自ガイドの目安値であり、個人の経験・企業により変動します。